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名探偵コナンの二次創作サイト。18歳未満の方は御遠慮ください。公式とは一切無関係です。 取り扱いカプ→快新・Kコ・その他コナン受 基本R18、管理人の趣味により猟奇、ヤンデレ、他者モブ×受けなフルボッコ話もあるかと思うので閲覧にはご注意ください。

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火花(キッド×コナン)
今週のアニメに萌え滾った結果がコレだよ!




火花

 

 

風がごうごうと鳴り、ガラスをガンガンと叩く。
雨がびゅんびゅんと降り、どろどろと深くなっていく闇。




このロッジの配線は全て切れていて復旧の見込みはない。
バケツをひっくり返したような豪雨に打たれた身体は夏だというのに寒くて仕方がなかった。冷える腕を自分で抱いて、ぶるりと震える。

 
 

「あれもそう……ちょうどこんな嵐の晩だったな。なあ、コソ泥さんよ?」



降り止まない雨に洗われていく窓硝子にぺったりと手の平をあわせて彼は言った。
外は闇。囂々とうなる音が室内まで聞こえてくる。コナンは今にも建物ごと吹き飛ばされてしまいそうな古い廃屋の壁を見つめるばかりだったが、背後の気配がくすりと笑ったのを見ずともわかった。

 

「なんの話だ、小さな探偵くん?」


探偵の後ろで、怪盗は濡れたマントの裾を絞っていた。
互いの顔も判別出来ない暗闇の中、重く水を吸った彼の白いマントは亡霊のように揺らめいていた。怪盗は笑いながら探偵に近づく。

 
 

少年探偵団の仲間達と山遊びに来た帰り一人だけ道に迷ったコナンと、この近くの祠に祭られているという霊験あらたかな石を探しに来ていたキッドが突然の暴風雨に、偶然逃げ込んだ廃屋で共に雨宿りするハメになったことを今さら愚痴っても仕方がない。

 

しかし怪盗を追う探偵としてはこんな不可抗力で、大事にとっておいた答え合わせのネタバラしをしたくなかった。だから彼から目を背ける。雨を見ていた。彼から返事はない。

 

話しかけたものの、コナンとしては返事を期待していたわけではない。いくら怪盗の記憶力と頭脳がバカげているほど精密だとはいえ、たったあれだけのヒントで、同じ事件を想像していたとしたらそれはちょっと奇妙なことだろう。しかし怪盗は厳かに口を開いた。

 

「こんな嵐の晩?全然違うね、オレの記憶が正しければあの時はもう少し雨も風も弱かった」



コナンはこの嵐が叩きつける山小屋からあの事件を連想したのだが、怪盗にもその意図は伝わったらしい。もしかしたら彼も同じことを想像していたのかもしれない。
嬉しいような、気持ち悪いような。コナンは自分が「奇妙な」顔になっていることを自覚して手首に手をやった。麻酔銃を作動させるためだ。

 

 

「……あの時はよくも気絶させてくれたな」

「なんならもう一回させてやろうか?まだ持ってるぜ」

「フン。やめとけ。濡れてる時に電流通したらどうなるか解ってんだろ?普段は安全な電圧でも死に至ることがある」

「いーじゃねーか、それくらいの方が刺激的で」

 

怪盗も探偵も洗濯機の渦に飲み込まれたように全身ぐっしょりと濡れていた。
おまけに寒い。こんな寒い時に薄らサムい怪盗の冗談など聞きたくない。コナンは変わらず前を向いたまま、時計型麻酔銃が填った腕だけを自分の身体の後ろに回して、キッドを狙う。発射する1秒前、

 

「おっと、危ねぇな」

背後から覆い被さられるようにして交差した腕を身体ごと掴まれた。
後ろ手に腕を組んだまま、ぐっしょりと濡れたマントに抱き込まれる。逃げ場がない。

 

 

「ハッ……刺激がお好みじゃなかったのか?」

「おまえにオレが眠らされたら、オレとしてはなんの刺激もないんでね」

「そりゃそーだな」

背後から密着し腕の中に抱き込まれると、怪盗のシャツとジャケットとズボン全てがぬるく気色の悪い温度に暖められていることがわかった。体温のせいだ。ぴったりと張り付くそれは怪盗本人にとってもさぞ気持ち悪いことに違いない。

 


「……脱げば」

その重いマントごと、というつもりで探偵は口にした。

 


「探偵くんもな。濡れたシャツ気持ち悪いだろ。脱がしていーい?」

今だ手首は背中で掴まれたままだった。
それも片手で。もう片方の手が探偵の子供服の襟にむかう。冷えた服はいつのまにか体温で生温くなっている。肌にはりついて気持ち悪い。

 


「あの時さあ、キリンの角ごとおめーを攫いたかったんだけど」

「……怪盗キッドは人は盗まないんじゃなかったのか?」




するすると濡れた服を脱がされる。
雨と汗で湿った肌をなぞられる。

 

 

「攫ってどうするつもりだったんだ?子供を暴風雨の中、森で放置?悪党だな」

「そんな勿体ないことしねーよ。気絶しているおまえをさらって、その蒼い瞳がぼんやりと目覚めたら……そうだな」



そこで怪盗は言葉を句切り、ニッと唇を吊り上げた。



「騒いだら命はないってスタンガンで脅して憎々しげに睨むも決して屈しない探偵くんを存分に犯して宝石だけ奪って気絶したまま半裸で放置してただろうね」

 



「ひっでーな」
 

怪盗の告白は悪辣きわまりないのになのに、コナンは面白い冗談を聞いたとでもいうように無邪気に笑った。そして肩をすくめて怪盗の唇に噛みつく。

 


「冗談じゃない」

「それはこっちの台詞」


 

暗闇でスタンガンの電極が青い火花を飛び散らせて蛍の羽音のように瞬いた。






火花




――――――――


キッドの台詞はもちろん冗談なんだけど、今からそういうプレイをするよ!という感じの冗談で「冗談じゃない」っていうのはそれとちょとひっかけてます。
こんなうすらぐらい感じが好きです




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