名探偵コナンの二次創作サイト。18歳未満の方は御遠慮ください。公式とは一切無関係です。 取り扱いカプ→快新・Kコ・その他コナン受 基本R18、管理人の趣味により猟奇、ヤンデレ、他者モブ×受けなフルボッコ話もあるかと思うので閲覧にはご注意ください。
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人形使いキッドさん×お人形コナンくん
という頭の沸いたファンタジーパラレルです。
タイトルが適当すぎて笑える
月と怪盗と操り人形
あの、週に一度時計台の広場に現れる美しい人形使いの青年とそのお人形といえば、この街では知らない人間は誰もいない。
「お集まりの紳士淑女の皆さん!」
青年は月を抱くように両手を広げ、優雅に腰を折る。
星屑のように煌めく歓声を受け、モノクルに隠されたブルーの瞳が月のない夜の湖面のように静かに微笑む。
「さて、今宵はどのような奇術を御覧にいれましょう?」
青年は、ふむ、と芝居がかって腕組みをする。
途端に、観客の間から「人を鳩に変えるのが見たい!」「この前の、あの時計を消すのをやって!」と歓声が飛ぶ。青年は「困りましたね」と首を傾げるふりをして、ふとマントをばさりと翻して見せた。
そこには6,7才ほどの小さな愛らしい男の子がいた。
男の子はまるで「退屈だからかまって」とでもいうように、青年のズボンにしがみついた。青年は困った顔で小さな男の子の頭を撫でる。
「どなたか、この子と遊んでやってくださいませんか」
その言葉が魅惑的なマジックの始まりを告げる口上と知っている観客は待ってましたとばかりにわっと声援をあげ、惜しみない拍手を送った。
白の夜会服とマントに身を包んだ美しい青年が、ひとときも離さず連れている
上品な仕立ての子供服に身を包んだ可愛らしい、6,7才の男の子。
しかし子供は人形で、青年は人形使いの奇術師だった。
この人形使いの名前はキッドと言うが、この街では魔術師、奇術師、魔法使い、などさまざまな名で親しまれていた。どこかの国では怪盗と呼ばれることもあるらしいが、この街の人間は彼の生み出す魔法――まさしく眼の眩むような魔法だ――を歓迎し、そのような根も葉もない噂には耳を塞いだ。
キッドは白い夜会服とマントを纏った美しい青年だった。
この街の人間はみな絹の手袋の指先からは愛のように魔法が零れる様を目の当たりにし、彼に夢中になる。魂を奪う悪魔だと恐れる者もいたが、大半の人間は彼と彼が連れている男の子が機嫌を損ねてこの町を出ていってしまうことのほうをより恐れていた。
なんて可愛らしいお人形!
人々はみな口をそろえて褒めそやす。
象牙色の肌にバラ色の頬。
くるくる表情もかわればよくしゃべる。
かけっこも上手で手先も意外と器用だった。
そのお人形は生きている人間の子供と比べても、違いを見つけることが困難なくらいよく出来ていた。
まさに人間の子供と瓜二つだったが、ただ一つ違うのはこの子供人形はキッドという人形使いの青年がそばにいなければ岩のようにうんともすんとも言わず、一歩も動けない。それを見て初めて周りの人間は、彼は人形なのだと納得する。
しかし褒めるのは人形の容姿と気品だけではなく、それを扱う人形使いのそれこそ人間離れした怜悧な美貌もしばしば噂に上るのだった。
今夜のショーは、この人形が近頃この街で起こった迷宮入りの恐ろしい連続殺人事件について自分の見解を披露するというものだった。
それはもちろん、人形を操るこの奇術師の推理のはずだったが、あまりの堂々とした見事な口ぶりに、観客は子供が捜査し、推理しているように思ったし、奇術師はこの少年のことを「私の名探偵」と呼んで相づちをうち、観客と一緒になって事件の真相に驚いてみせる。
いったいどのような仕掛けで動いているのだろう!
観客はみな一様に眼をこらして人形を見つめたが、操る銀の糸も、発条人形によくあるネジ巻きの穴も見つからず、結局は男の子の美しさに目を奪われるだけに終わるのだった。
今夜のショーも一段落した。
観客の中には街の警察官もいたからきっと真犯人の名前が載った新聞が号外として明日の早朝にでも街に溢れ返るだろう。
小さな名探偵は褒め称える観客に囲まれ、にこにこと話を続けていたが、誰か彼に手を触れようとした瞬間、奇術師の後ろにさっと隠れてしまった。
マントの裾を掴んでおそるおそるといった様子でキッドをちらちらと見ている。その仕草は人見知りをする子供そのもので、子供に手を触れようとした婦人は思わず口を覆った。
「まあ、可愛らしいこと」
「この子に触れることはどうかお許しを。私以外の者には慣れていないのですよ」
「だって、このお人形はあなたが動かしているのでしょう?」
婦人のもっともな驚きに、奇術師は微笑を返して口をつぐんだ。
「この子は私がさる王宮から盗みだし、100年かけて命を吹き込んだ唯一無二のお人形」
「百年!それでは貴方はいったいおいくつでしょう」
キッドはその問いにも無言の笑みを返し、無事ショーを終えた小さな名探偵の頭を愛おしそうに撫でた。少年は嬉しそうに目を細め、キッドに向かって両手を伸ばす。
まるで抱っこをねだるような仕草だ。
キッドは少年の望みどおり抱き上げ、大切そうに腕に抱えなおした。
「ごめんなさいね、ぼうや」
気の良い婦人は本当に申し訳なさそうに眉を顰めて、人形使いと人形の顔を見比べた。
「ところでお名前はなんとおっしゃるの?あなたのご主人様はあなたを名探偵としか呼んでないけれど。まさか、名前が無いというわけではないのでしょう?」
「僕、コナンっていいます!」
元気のいい返事に、彼を抱いているキッドは愛おしそうに目を細める。
その様子を見るにつけてもこの子供が人形で、奇術師が操ってしゃべらせているだけとは到底思えないのだった。
――――――
ちなみにぶりっコナンバージョン ふひひ
これコナンただの人形だったらキッド一人遊びの変態だよね!
人形使い×人形 萌える。
設定としては、色々考えてるのでそのうちゃんと書きたいです
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