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名探偵コナンの二次創作サイト。18歳未満の方は御遠慮ください。公式とは一切無関係です。 取り扱いカプ→快新・Kコ・その他コナン受 基本R18、管理人の趣味により猟奇、ヤンデレ、他者モブ×受けなフルボッコ話もあるかと思うので閲覧にはご注意ください。

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「誘拐」(キッド×コナン)
直接は繋がってはいませんが、前回の「犯罪者2」の後日談的な話です。
コナンはキッドの正体は知らず基本ライバル同士、、でも好きあってる、みたいな。
初めてのお泊まり編。


――――


「…ってそれじゃあオメーがどこから見ても怪しいヤツじゃねえか。人さらいかよ」

誘拐

「こういうのは、間を置かずに慣らした方がいいんだぜ?」

開いた口がふさがらないとはこのことだろう。
しれっとのたまう怪盗に、探偵はポカンと口を開けたまま硬直し、一瞬遅れて腕に取り付けた時計型麻酔銃を構えた。ピピピ、と照準があう電子音。

 


「おおっと、こえーな」

しかし怪盗は片頬をつりあげるだけでさほど動じない。この状況で、コナンが決して撃つことはないと知っていたのだ。なんせ上空300メートルの夜間飛行の最中だ、それもタンデム、二人乗り。キッドがここで眠ってしまえば抱えられているコナン諸共墜落だ。

 


前回の逢瀬から約一週間。
毛利探偵事務所のポストに戯れにつっこんだ、なんの変哲もない暑中見舞いの葉書に隠された暗号を解き、探偵はその招待に応じた。だからコナンが米花ビルの屋上に来た時点で、あるいは怪盗の手を取って夜空に一歩踏み出した時点で、本当はその小さな心は決まっていたということになる。

 

前回屋上の上で初めて深く触れ合った。
ほとんど一方的な戯れだったけれど、普通なら決して子供に出来るようなことではない行為だったけれど、タブーと知っていながら求め合った。それを踏まえてのキッドの隠れ家への深夜の招待は、お互いある程度覚悟をしなければならなかった。コナンもそれをわかって今日ここに来ていた。口に出して確認しあわずとも。互いの暗黙の共通認識がもどかしい。

 


「なあ名探偵。いくらオレがおめーのこと愛しちゃってても、さすがにアジトばれるわけには行かねえんだ。悪いけどちょっと目をつぶっててくれるか」

「……了解」

 


怪盗は「さんきゅ」と小さく呟くと、コナンのメガネを外してどこからか黒いアイマスクを取り出した。コナンは一度だけ怪盗の顔とその黒い柔らかな布を見比べたが、何も言わずに自らアイマスクのゴムを耳に装着した。

 


「怖くないか?」
「誰がっ」
「じゃあ振り落とされないようにしっかり捕まってろよ?」

怪盗は高度と速度をあげる。月に照らされた通り道、追い風、じわりと汗ばむ夏の夜。
きっと、怖くないはずがない。目隠しをされた状態で不安定な腕に支えられただけで空を飛ぶなんて。それでも焦りも動揺もみせずに腕にしがみつく小さな探偵にキッドは素直な賞賛を示した。

 

 

高層マンションの屋上に降り立つと、地面に立った衝撃が伝わったのか、コナンは安堵を隠さない声で「ついたのか?」と尋ねた。と同時にキッドはどこにでもいそうな青年の姿に戻った。さすがにこの白い格好をいつまでも纏っているわけにはいかない。

 

「ま、な。でもアイマスクを取るのはオレの部屋についてからにしてくれ」
「…ってそれじゃあおめーがどこから見ても怪しいヤツじゃねえか。誘拐犯かよ」
「名探偵が大人しくしてくれれば、兄貴に抱っこされて眠っちまったちっこい弟にしか見えねえよ」
「ちっこいは余計だ。……わかった、早く連れてけ」

 

ぷい、と機嫌を損ねたらしくそっぽをむく探偵を腕に抱え直し、アイマスクが外から見えないように胸に押しつけた。その瞬間、コナンがわずかに身動ぎした。大人しくすると約束したのに。

 

幸い誰にも見咎められず、部屋には戻れた。
キーをがちゃりと回した瞬間、またびくりとコナンの背が震えた。
勝手知ったる自分のアジト、靴も揃えず無造作にフローリングにあがる。

 

「たーだいまっと」
「……おまえ、それ一人でも言うのか?」
「言うだろ、普通。名探偵は言わないの?」


何を当然なことを、と言わんばかりに尋ねられ、コナンは首をふるりと振った。
ぱち、と室内の灯りをつける。部屋の様子はつい3日ほど前に今夜の反抗の下準備利用した時のままだ。ソファの上の毛布のぐしゃぐしゃ具合も、飲みかけでつい放置してしまったスポーツドリンクも同じようにテーブルの下に転がっていた。

 

「もうそれ取っていいぜ。適当にその辺りにおいといてくれ。カーテンを開けなきゃどこで何してくれてもいい。いっとくがここにオレの正体に繋がるようなヒントはないぜ!一応オレもモノクルだけつけとくしな。あ、なんか飲む?お子様はやっぱミルク?」

 

矢継ぎ早にまくしたてられ、コナンは面食らったようだった。
目隠しを外し、ぎゅっと瞑った目をしぱしぱと瞬かせた。突然の光がただ眩しかっただけかもしれない。

 

「…………コーヒー」

やや時間を空けて仏頂面と不機嫌そうな声が一つ返る。
それは最後の問いに対する答えだったと気付き、キッドはしばらくたってから声あげて笑った。気のおけない友人同士のような会話が初めて成り立ったことに喜んだのだ。

 

 




 

誘拐犯




――――――――――

 


初めてのお泊まり編。
続きはR18です。

キッドのアジトに行くために、しぶしぶでも自ら目隠しをするコナンくんが書きたかった
 

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